省エネ・経費削減
電気代の削減
照明
消費電力のうち照明の割合は、工場で約6%、事務所で約26%、一般的な家庭で16%程度と言われています。
電気代の削減のためには軽視できません。
空調
一般的な事務所や店舗では、電気代の約70%は業務用エアコンが、一般家庭でも25%近くをルームエアコンが占めています。
ここを抑えることができれば電気代を大幅に削減することができます。
その他
その他の電気代の削減方法をご紹介します。
照明
消費電力のうち照明の割合は、工場で約6%、事務所で約26%、一般的な家庭で16%程度と言われています。
電気代の削減のためには軽視できません。
用途に合った照明を選ぶ
蛍光灯は、電球(白熱灯)に比べると寿命は6倍、消費電力も30%程度少なくてすみ、電気代は1/4以下です。
長い時間電気をつける場所には、蛍光灯を利用するようにしましょう。
逆に、白熱灯は、トイレなどスイッチの入り切りを頻繁に行う場所に向いています。
蛍光灯は点灯する時に多くのエネルギーを必要としますので、頻繁につけたり消したりするとかえって多く電力を消費します。
そのため10分程度で点灯・消灯を繰り返す場所の照明は白熱灯の方がいいのです。
不要な場所の照明を消す
会議室や湯沸室などでは、使用が終わったら必ず消灯し、昼休みや残業時にも、人がいない場所など、照明の必要ない場所では消灯するようにしましょう。
時間帯によって利用しない場所などを決めるなど、効率よい部屋利用をするとよいでしょう。
家庭であれば、家族が同じ部屋で団らんするなどすると効果的です。
照度センサや人感センサを利用することで、明るさや人の有無に対応した調光をすることも可能です。
また、最近では日中部屋が明るい場合は照明を消している企業も増えてきました。
部屋の広さに合った照明を使う
暗すぎると目が悪くなり、明るすぎると電気代の無駄です。
カタログに等に表示されている適用畳数に合わせるとよいです。
電球型蛍光灯
白熱電球と同じソケットに取り付ける蛍光灯です。
54W白熱電球と12W蛍光灯がほぼ同じ明るさで、寿命は6倍、電気代は1/4以下になります。
インバーター式蛍光灯
パワーの調整もでき、電球より寿命が長く、すぐ点灯する、ちらつきがないなどの特長があります。
同じ部屋の広さなら、従来の照明と比べると、同じ明るさなら約20%の省エネに、同じ電力なら約25%の明るさアップになります。
インバーターとは周波数変換器のことで、家庭に届く電気の周波数を目的にあわせて変換します。
電球型蛍灯にはインバーターが組み込まれているので、白熱灯と同じソケットに取り付けることができるのです。
Hf(高周波点灯専用)ランプ
インバーター蛍光灯用器具専用の蛍光灯です
一般的な環形蛍光ランプと比べると同じ明るさなら約10%程度省エネできます。
スイッチを分ける
同一室内でも照明のスイッチを分け、必要な部分のみ明るくできるようにすれば、無駄がなくなります。
スイッチ自体は数百円で購入でき、配線工事も意外と安価ですむ場合があります。
蛍光灯の安定器を交換する
蛍光灯の台には安定器が内蔵されています。
この安定器は、蛍光灯を点灯させるために必要で、蛍光管への電流を制限し安定性を保つことと、点灯時の始動をスムーズにする働きをしています。
しかし、安定器にも寿命があり、一般に5~7年以上使用した安定器は、劣化にともない従来の安定器の働きが著しく低下し、消費電力を増加させます。
そのため蛍光管の寿命も短くなり、頻繁に蛍光管の取替えが必要となります。
さらに、安定器自体にも7~11Wの消費電力(機種・メーカーにより異なる)が使用されていますので、実際には考えている以上の照明器具に使用する電気料金を支払っていることになります。
寿命を超えた安定器は40W式の蛍光灯でも60W~最大90Wまでの消費電力を必要としますので、寿命が尽きる前に交換した方がお得です。
空調
一般的な事務所や店舗では、電気代の約70%は業務用エアコンが、一般家庭でも25%近くをルームエアコンが占めています。
ここを抑えることができれば電気代を大幅に削減することができます。
冷房は28℃ 暖房は20℃
設定温度を、冷房の場合は1℃上げ、暖房は2℃下げると、10%の節電になります。
夏の冷房は28℃、冬の暖房は20℃が目安とされていますので、目標とされてはいかがでしょうか。
参考までに、暖房の温度設定を1℃低くすると、一世帯当たり、CO2の削減効果は1年で約31kg、年間排出量に対する削減割合は約0.5%、1年間の節約効果は約2,000円になると言われています。
扇風機を利用する
扇風機の消費電力はエアコンに比べればごく僅かで1時間の使用で約0.7円です。
人は風がある状態と無い状態では、体感温度が2℃くらい違うと言われています。
冷房時に扇風機を併用すると体感温度が下がりますので、エアコンの設定温度を高くできます。
また、送風範囲を広げることができますので、エアコンの風量を抑えることができます。
暖房時には、扇風機を使って暖かい空気を部屋全体に送ることで、暖房効率がアップして省エネになります。
フィルターを清掃する
フィルターが目詰まりしているとエアコンの効率は落ちます。
効率が落ちるということは無駄に電気を消費することですので、フィルターは月に1回、2回を目安に清掃しましょう。
エアコンの風向きを調整する
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下に流れる性質があります。
そのため、エアコンの噴出し方向は、暖房時には下向きにして部屋の下部から暖め、冷房時には水平にして暖気が上にたまらないようにする方が、エアコンの効率は良くなります。
窓の外からの直射日光をカットする
夏に、室内の温度が上がるのを防ぐには、直射日光が入ることを抑えることが大切です。
カーテンを閉めていても、カーテン自体が暖まってしまいますので不十分です。
窓の外で遮熱の工夫をする必要があります。
簾(すだれ)や葦簀(よしず)、サンシェードなどを使うと効果的です。
また、ガラスに貼るだけで日射を調整できる遮熱フィルムや、遮熱タイプのガラスも販売されています。
外から冷気が入るのを防ぐ
暖房の効果を上げるためには、外の冷気が室内に入るのを防ぐ必要があります。
カーテンを窓より長くして、窓とカーテンの間から冷気が入るのを防ぐ、窓枠やドアに隙間テープを貼る、窓ガラスに透明のビニールを貼る、などの方法があります。
窓を改善する
窓は熱伝導が非常に良いので、外の暑さや寒さの影響を室内にもたらします。
その影響をできる限り小さくし、最近の省エネ住宅には欠かせないと言われるのが、飛行機や新幹線などに採用されている、断熱を目的に開発された真空ガラスや複層ガラスです。
真空ガラスは「真空は熱を伝えない」という原理を元に、2枚のガラスの間に真空層をつくったものです。
複層ガラスは「空気の熱伝導率が非常に小さい」ことを利用し、2枚以上のガラスの間に空気やガスを入れてつくられる窓ガラスです。
窓が複層になっていると、夏には外の暑さが室内に伝わってきにくいので冷房がよくきき、冬には外の冷たい空気が室内に伝わってきにくいので、暖房の効率が良くなり、室内が暖かくても結露しにくいです。
それに加え、断熱タイプのサッシも利用すれば、気密性と断熱性がさらにアップしますので、エアコンの効率はさらに上がります。
白熱灯を蛍光灯に替える
白熱灯と蛍光灯では、同じ明るさでも白熱灯のほうが熱を発しますので、1部屋でたくさんの白熱電球を使っていたりすると室温が上がる原因になります。
夏場の温度上昇を防ぐためには、白熱灯を蛍光灯や電球形蛍光灯に替えて室温の上昇を防ぎましょう。
ただし、照明の電気代を削減することについては、用途に合った照明を選ぶことも大事となってきますので、必ずしも全ての白熱灯を蛍光灯に替えれば良いわけではありません。
蛍光灯は点灯する時に多くのエネルギーを必要としますので、頻繁につけたり消したりするとかえって多く電力を消費します。
そのため10分程度で点灯・消灯を繰り返すトイレのような場所の照明は白熱灯を使うようにしましょう。
打ち水をする
打ち水は、水が蒸発することで熱を奪い、気温が下がるという現象を利用した昔ながらの生活の知恵です。
ベランダや通路に打ち水をすると気温を少なからず下げることができます。
室温は外気の温度の影響を受けますし、窓を開けるだけでエアコンを利用しないですむのであれば、それに越したことはありません。
打ち水には、お風呂の残り湯などを汲み置きしておくと水道代をかけずにすみます。
冷房は換気をしてから
夏場に帰宅すると、部屋が密閉状態となていたため熱気がこもっています。
室温が高い状態では、エアコンを使用してもなかなか温度は下がりません。
エアコンは、設定温度になるまでの駆動時は、安定時に比べて約6倍もの電力がかかりますので、できる限り早く設定温度に到達させる必要があります。
そのため、少しでも室温を下げてからエアコンの電源を入れる方がよいのです。
帰宅したら、エアコンのスイッチを入れる前に、まず窓や玄関を開け、部屋全体を換気しましょう。
風下に向けて扇風機を使うとよいですし、風上側の窓を細めに、風下側の窓は大きく開けると、風通しがよくなります。
その後、ある程度室温が下がってからエアコンの電源を入れましょう。
部屋の大きさに合ったエアコンを使う
エアコンの電源を入れると、設定温度を目指してフル運転し、設定温度に達すると安定運転に切り替わります。
そのため、大きな部屋に小さなエアコンをつけると、なかなか設定温度にならず、エアコンが動き続けるため非常に効率が悪くなります。
広さに合ったエアコンを使うことで、効率的に温度を調整できますので、無駄な電気代がかかりません。
買い替える①
エアコンを買い替えることで電気代が半分近く安くなる場合があります。
エアコンはここ5年ほどで技術的に大幅な進歩を遂げています。
インバータエアコンの登場により、消費電力を抑え、きめ細かな温度調整が可能となり、電源がオンの状態のままで一定の温度に保つことができるようになりました。
最近エアコンを替えられている場合は、買い替えでの効果は期待できませんが、それ以前のエアコンを使用されている場合は、電気代は大幅に削減できる可能性があります。
また、機械は年数が経てば経つほど、経年劣化し機能は低下していきます。
エアコンは電気の他に、水やガスも扱っているため、使用し始めてから5年ぐらい経過すると部分的な経年変化が始まると言われています。
買い替える②
エアコンを買うなら、少なくともグリーンの省エネラベルが付いているものを選ぶと良いでしょう。
グリーンの省エネラベルは、省エネ基準達成率100%以上の製品に付けられています。
逆に、オレンジの省エネラベルは省エネ基準を達成していない製品に付けられています。
値段的には、オレンジの省エネラベルが付いている製品方が安いですが、ランニングコストを考えると、大抵の場合はグリーンの省エネラベルの製品がお得になります。
また、エアコンのエネルギー消費効率を示すCOP(※1)やAPF(※2)の値が大きいほど、省エネラベルの星の数が多いほど、省エネ性能が高いことを示しています。
省エネ達成率は目標年度が同じ場合は良いですが、目標年度が変われば基準が変わりますので、目標年度の違う製品は省エネ達成率では単純に比較することはできません。
そのため省エネ達成率よりもAPFで比較する方が良いです。
APFの表記がなければCOPで比較し、その後で省エネ達成率を比較するとよいでしょう。
※1 COP シーオーピー(officeient of performance)
JISC9612に定められた定格能力における消費電力1Kwあたりの冷暖房能力(kW)。値が大きいほど省エネルギー性能が良い。
※2 APF エーピーエフ(Annual Peformance Factor)
年間を通して、ある一定の条件のもとにエアコンを運転したときの消費電力1kWあたりの冷暖房能力(kW)。値が大きいほどエネルギー性能が良い。
業務用エアコンに変える
一般家庭、住宅向けのエアコンをルームエアコン、店舗・事務所など向けに業務用として作られたものを業務用エアコンと呼びます。
店舗や事務所でルームエアコンを使用しているところがありますが、容量不足でエアコンが十分に効いていない場合があります。
また、エアコンが稼動しても設定温度になかなか達しないために、効率が悪く、電気代がかさんでしまいます。
業務用は値段は高いですが、3馬力以上ありますので能力が違います。
ただし、業務用エアコンは動力電源が必要になります。
ルームエアコンから変更する場合は電源引き込み工事や配管工事が必要な場合もあります。
つまり、初期投資はかかりますが、ランニングコストを考えると業務用エアコンの方がお得となる場合も多々ありますので、一考の価値はあります。
人がいるところだけ快適にする
広い部屋や工場など、広いスペース全体を冷暖房しようとすると大きな出力のエアコンが必要となり、電気代もかさみます。
また、エアコンに近いところでは、暑すぎる寒すぎる状態でも、離れた場所ではエアコンが効いていないということも多々あります。
人がいるところだけ温度調整をすることで十分であるならば、ダクト式タイプのエアコンを使って、必要なところに吹き出し口を付けることで快適な環境を生み出せます。
エアコンをまとめることもできますので、室内機・室外機のスペースも無駄をなくすことができます。
台数を分けた方が良い場合もある
部屋の大きさに合ったエアコンを使うことは大事ですが、大容量のエアコンを1台設置するよりも、それより小規模のエアコンを2台以上設置した方がランニングコストが安くなることがあります。
1台よりも2台以上で運転した方が部屋全体の空調効率がよくなる場合もありますし、例えば、通常は1台運転させ、真夏や真冬に1台では不足する時だけ2台目も使うようにする、などの利用もできます。
購入時に、部屋の広さや使用環境を販売員など相談すると計算してくれます。
高気密・高断熱化する
エアコンの効率を上げるためには「高気密・高断熱化」するのが効果的です。
新築・改築の際にご検討ください。
屋上の緑化
屋上で植物を育てたり、芝生を敷き詰めたりすると夏の温度上昇を防ぐことができます。
建物に直接太陽光が当たることを防ぐとともに、植物の水分が蒸発することによる冷却効果が期待できます。
また、緑化の促進と言う意味でもCO2の削減効果もあると考えることができます。